Col·legi Teresianes
バルセロナで万国博覧会が開催される頃、数年前からサグラダファミリアの建設を始めていたガウディは既に人気の建築家でした。大規模なプロジェクトや予算と関わっていたにもかかわらず、仕事に対する興味と信仰のためにサンジェルバシ・デ・カソレスにあるテレジア会修道院と学院のような地味な仕事を受注しました。
ガウディはジョアン・ポンス・トラバルが始めたばかりのプロジェクトをやり直し、既に完成していた基礎を維持し、計画の量やプロファイルを変更することなく、単純な建設を建築の傑作に変えました。建築家は想像上の作業だけで新しいレイアウトを考え、自然光の入る中庭を作り出しました。
才能と技術習得、少ないリソース
もしイエス・キリストの聖テレサ会の創設者エンリック・デ・オソ神父がガウディと仕事の契約をしていなければ、カン・ガンドゥシェールの土地には歴史もなく無名の建物が建っていたはずです。建築家トラバルが設計した図面には似たような大きさの3つの廊を持つ普通の長方形の建物に中世風のファザードという計画を想定していました。エリアス・ルジェントが建築したばかりの中央大学のやり方と全てよく似ていて、その建物は当時の地元建築の頂点と受け入れられていたものです。
神父は、その少し前にアストルガ司教宮のプロジェクトをガウディから受け取ったレウス出身のグラウ司教の助言に従いました。このプロジェクトでは、当時ガウディ同時進行で監督していたグエル邸の場合とは全く逆で、クライエントはとても限られた予算しかありませんでした。それにもかかわらず、レンガや石を使う完全に伝統的な技術習得を持って、彼ほどの才能の建築家が完成させた建物は素晴らしいものでした。
簡素な内なる城
ガウディは学校の構想を石とレンガを組み合わせた美しいファザードを持つネオゴシック様式の城のとして構想しました。イエスキリストのアナグラム、カルメル会の紋章、四つ角の塔の十字架、マーロンの博士帽などサンタ・テレサに関連する宗教的シンボルを組み入れるのが基調です。ファザードにも、窓や入口のポーチなどに伝統的な放物線アーチが見られます。ポーチはエレガントな錬鉄製のゲートで閉じられます。
建物内部の出来は素晴らしく、特に廊下と地上階のメインロビーが驚くべきものでした。
ガウディは最適な方法で任務を果たすために、テレジア会の精神を深く掘り下げ研究し、
そのアプローチのおかげで会の精神性に密着に結びつく「内なる城」と同じように、建物に落ち着いて孤立したイメージを与えることが出来たのです。
その点では、装飾は最小限で、厳格かつ機能的であり、構造的要素と閉鎖において正常に現れます。ここでまたガウディは近代建築の巨匠ルードヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエの思想を何年も前進しています。「Less is more.」( より少ないことは、より豊かなこと)
「聖」エンリック・デ・オソとの緊張関係
ガウディと1993年に聖人として崇拝されることになったオソ神父との関係は、かなり世俗的でした。建築家は、テレジア会の創始者が建物対して持っていた要求と基準に反対する彼の考えを主張しなければならないことが少なくありませんでした。 これら2人の意志の強い男たちの間の議論では、ガウディが聖職者に対して意見は変わらないと主張し、「何らかの理由で彼を選んでお金を払っているのだから、プロジェクトの詳細は彼に任せてほしい」と言ったことは一度だけではありませんでした。
時に意見の相違はありましたが、彼らの同盟の結果、テレジア会コミュニティーによってよく保たれ、現在も賞賛できる素晴らしい修道院と校舎が生まれました。
建築家が、礼拝堂が一般に公開されないということを理解することができなかったために、新しい付属の礼拝堂を設計する時が来たときに、ガウディと発注者との間でその後の合意が得られなかったのは残念です。今の礼拝堂はガブリエル・ボレイ・カルドナによって建てられたネオ・ゴシック様式のものです。
開館時間
学校として使用されている。モニュメントとしての訪問は不可。
アクセス
市バス: 14番、 58番、64番、70番
FGC: L6番線 - La Bonanova駅